QUEEN of the JOKER

対面

黒坂大和はあたしから目を逸らさなかった。


周りの静寂と目の前にいる全国のトップ4に数えられるあの剣龍の総長から感じるオーラ。


剣龍の総長はめちゃくちゃ無気力だって聞いた事があるけど、どうやらそれは自分の族に関すること以外のようだ。


「…まずは、剣龍の傘下たちがお前に失礼をしたようだな。謝罪しよう…すまない」


傘下ってあの女共だよね?


「…気にしてませんから」


黒坂大和は彼女等の処遇は後で考えておく、と言うと1度隣に座る少女…天森さんに目をやった。


「そして、こいつは俺達『剣龍』のQ(クイーン)、天森琴葉だ」


「改めてよろしくね、瑞希」


「君は知ってるだろうけどQである琴葉ちゃんは剣龍の中で2番目に偉い子だからね」


俺は3番目に偉いから、とニコニコ笑顔を語って来た橘蒼夜。


こいつらが、剣龍の中で最も偉いトップ3か。


まさか、その中に天森さんも入ってるなんてね。


確かにトランプ同盟に入っている4つの族は最高幹部が総長のK(キング)、副総長のJ(ジャック)、そして女が就くQ(クイーン)。でもその4つの族が必ずしもQがいるとは限らない。


単純な理由が"喧嘩ができない"から。


いても意味が無い、と捉える族がほとんどだが、どうやら剣龍は違うらしい。


< 53 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop