QUEEN of the JOKER
その後~剣龍にて~

夏也side


「…まさかお前が負けるとはな」


総長の大和が蒼夜に言う。


蒼夜は半裸の状態で横になりながら部下に湿布やらを貼ってもらっていた。


…余程だったんだろうな、あの背負い投げは。


「いや~、まさか背負い投げされるとは思ってなかったよ」


蒼夜もどうやら本気で完敗だったようだ。


「それで、東城瑞希はどうだった?」


「…奇襲されて解散したほどだから大した副総長ではないと思っていたけど…俺の見当違いみたいだよ。あの子1人でも組織1つは潰せるんじゃない?」


「確かにな。さっきの喧嘩でも10人相手に無傷だったんだろ?」


「うん。一部始終見てたからね」


手当てを終えた蒼夜は体を伸ばし、腕を回す。


「…さっきの喧嘩も俺は"背負い投げ"で済まされた。…あの子が俺に本当の敵意を向けていたら一溜りもなかったよ」


俺でさえ敵わない剣龍の副総長の蒼夜がそこまで言うんだ。


…東城瑞希は、間違いなく俺が超えるべき存在だ。


「…ライバルかもしれねぇな」


「…?夏也、何か言った?」


「何でもねぇよ」


謙也の言葉を軽く受け流し、俺は拳を握った。


「…絶対に超えてやるぜ。東城瑞希」


…明日からの登校は楽しみだな。


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