QUEEN of the JOKER
「…っ」


冷や汗が頬を伝う。


「死にたくなきゃ俺らの舎弟に入りな」


肩を思いきり抑えられ、身動きが取れず、あたしの首にナイフを当てている目の前のリーダー格の男を見ていた。


「馬鹿な女だぜ。大人しくしてりゃ、こうされずに済んだのによ」


ニヤニヤ笑っているこの男達がウザい。


入らなきゃただでは済まないだろう。


でも入りたくもないし。


ナイフを首に当てながら男があたしの目の前に迫る。


「痛い思いはしたくねぇだろ?」


ナイフはどんどん立ち、微かな痛みが伝う。生温い液体が首を伝う。


あたしは男を睨みつけ、そのムカつく顔面に唾を吐きかけた。


「っ!きったね!」


嫌そうに顔を歪める男にあたしはニヤッと皮肉に笑う。


男は怒りに顔を歪ませナイフを持った手であたしを殴った。崩れた髪の隙間から男を睨みつけた。


「よっぽど死にてぇみてぇだな」


男はナイフを振り上げた。


それと同時に───────・・・













ブル…ブルンブルンッ!!







ブォオオオオオオオオッ!!








前と後ろから、バイクのエンジン音が鳴り響いた。
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