白い雪が降り積もるように


「貴方はさっき良威様に殴られそうになったのですよ?私が行きますので……」




「いえ、大丈夫です。先程の無礼を謝りたいので私に行かせてください」




玖下さんは納得がいっていないようだったけど、渋々私に救急道具を渡してくる。





それを受け取ると蓬條良威の部屋の場所を聞いて、彼の部屋へと向かった。




部屋の前についてドアをノックすれば、不機嫌そうな返事がドアの向こうから聞こえる。





その返事を受け、私がドアを開けると蓬條良威は室内の窓際にあるカウチの方にいた。





「何でお前が此処に来るんだよ?お前は依良の付き人なんだろ」






不機嫌そうに睨み付けてくる彼を無視し、ローテーブルに救急道具を置くと綿球をピンセットで摘まんで消毒液をそれに含ませる。




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