白い雪が降り積もるように


今から十年前。



蓬條家は窮地に陥っていた。




先代である蓬條紗良の父親が病気で急死し、まだ二十代だった蓬條紗良が家督を継いで程無くして、会社の経営が悪化したのだ。




蓬條紗良に企業のトップ……巨大な蓬條の長が勤められなかった訳ではない。




彼女の実の弟──、蓬條圭二が跡を継げなかったことを妬み、蓬條の株を下げるような行為を行ったのだ。




しかし、同じく三名家の寿永と藤邦の手を借り、立て直した。





かなり悪化していた経営をみるみるうちに立て直した彼女を称賛する声は多く、これまで以上に多くの企業との繋がりを作っていく。





蓬條の長から姉を引き摺り落としたい蓬條圭二は人として外れていることを実行することを決めた。





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