白い雪が降り積もるように


「私は何て馬鹿なことを──」




「そんなことないよ」





後悔を口にしようとした時、私の言葉を蓬條依良が遮った。




「君はただ家族を想ってのことをしようとしただけだよ。君のお父さんも君達家族を想っての行動だったんだよ」




「でも……」




「それに、確かに俺は殺されかけたかもしれないけど今、ちゃんと生きてる」




彼は優しく微笑むと、私の手を握ってきた。





少し冷たい手だったけど、その暖かみのある仕草に彼の優しさが感じられた。




ふと、頬に何かが伝う感覚があった。




「君は蓬條に復讐しに来た。それは間違いだったか正しかったかは俺には分からない。けど、俺はそれを止めるよ」




「?」




「それを遂げたら君はどうするつもりだった?死を選ぶだろ?」




「……っ!」



全てを見透かされているような感覚だった。






< 175 / 422 >

この作品をシェア

pagetop