白い雪が降り積もるように


「サンキュー。あー、あったけー」




ティーカップで手を暖めながらソファーに座る彼をよそに、私は自分の分のココアをローテーブルに置くとふかふかのラグに直に座り、テレビの音量を上げた。





此処は使用人の居住区域だから誰がこの話を聞いているか分からないからわざと少し高めの音にする。




「それで、何か妙案でも思い付いた?」




「いや、思い付いてねぇ。てかさ、お前、俺には敬語使わないのな」





良威は苦笑い気味に、私の顔を見てきた。




思い付いてないのかい……。




それに、今更それを言う?




「協力者に敬語は使わないよ」




「あ、そう。お前のことだから名前も呼び捨てにしそうだな」




「協力者にさん付け君付け様付けらしないよ」




つまり、良威は呼び捨てだ。





それに気づいたのか、彼は乾いた笑い声を漏らした。






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