白い雪が降り積もるように

5.引き摺る過去



蓬條依良の過去を聞かされてから彼の私に対しての態度が変わりはない。




名前も本名で呼ぶことはないし、私も依良、と呼び捨てで呼ぶこともない。




でも、唯一変化があったと言えば、外出する回数が増えたことだろうか。





玖下さんを伴ってだけど、前よりも外出するようになっているように感じる。




現に今も外出しているようだ。




そして、私は屋敷で留守番をしていた。





「馬鹿だろ、お前!」




留守番と言っても、蓬條依良がいないことをチャンスと思い、良威の所に来ていた。





でも、目の前の良威は私の言葉に怒鳴った。




私は彼に蓬條依良の過去を聞き、遠回しに抱き締められたことも話した。




そしたら、いきなり怒鳴られた。



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