白い雪が降り積もるように


「良威、何か言った?」




「別に……。そろそろ仕事戻れよ、俺の部屋に長居したら怪しまれんぞ」




私は皆、良威の部屋にお茶を持っていくのを嫌がるから代わりに持ってきたついでに、その話をした。





だから、お茶を持っていくだけでなかなか戻ってこないことを怪しく思う人は少なからずいる。




良威に言われるがまま、彼の部屋を後にすると給湯室へ向かう。




そこには使用人の女の人たちが何人かいて、やはりなかなか帰ってこないからと心配されていた。




「冬季君、無事だったのねー!良かったわー」




「なかなか戻ってこないから心配したのよ」




「す、すいません……」




申し訳なさそうに謝っては見せたけど、良威は私には何もしない。




彼にとって私は一人しかいない協力者だ。




そんな私に何かすれば、良威にとって折角一泡吹かせられる場面を逃すのだからマイナスにしかならない。






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