白い雪が降り積もるように


玖下さんに連れられて一度屋敷の外に出ると、彼は順をおって案内してくれた。




「当家は本館、東館、別館に別れております。本館は主に蓬條家の方々の住まい、東館はゲストルームやパーティーホールなどの迎賓館となり、別館は使用人達の居住となります」





本館も三階建ての大きな洋館だが、東館も別館も本館よりかは小さいが、立派な洋館だ。






どちらにせよ、ちゃんと玖下さんの話を聞いていないと迷ってしまいそうな程広い場所のようだ。






「庭は専属の庭師が手入れをしており、季節の花々がその都度美しく咲いています。あそこに見える東屋の先には池があります」






彼が指差す方には東屋があって、微かにだが池も見える。





……金持ちは金銭感覚も敷地の広さも狂ってる。





そんなことを思ってしまうほど、蓬條の土地が広かった。






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