白い雪が降り積もるように


何だよ、その組織って……。




政府にそんな組織があるなんて公になっていないから事実なのかは分からない。





でも、次の出来事でそれが事実なのだと突き付けられた。




「寿永様の指示があればな」




寿永といえば、今の法務大臣や総理大臣を勤める官僚の名前だ。





人を騙すのに使えるほど何処にでもある名前でもない。





だから、彼らの言うことが本当なのだと理解した。




ふと、男達は律生から僕に視線を移した。





「お前も配属が決まっているぞ、玖下摂紀」




「僕も……?」




「弟のやることを見て見ぬふりをして、罪から逃れられると思うな……」





頭を思い切り殴られたような感覚がした。







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