白い雪が降り積もるように

3.正体



目が腫れぼったい……。




あれからしばらく泣いていたせいか、目が腫れぼったい。




「戻りましたー」




使用人達が集まるフロアに入ると、そこにいた人達はぎょっとしたように私を見た。




「ど、どうしたの、冬季君!その目!」





弟さんが同い年という千早さんが心配そうに駆け寄ってきた。





「ゴミが入って擦りすぎてしまって……」




「嘘おっしゃい!ゴミが入っただけでそうなるものですか!」





千早さんは私をそのフロアから連れ出すと、リネン室へと連れて行かれた。





「何があったの?泣いたんでしょ?」





「いや、何でも──」




「……依良様と何かあった?」




図星と認めんばかりに肩を揺らすと、彼女のため息を吐いて頭をポンポンと撫でてくれる。




< 353 / 422 >

この作品をシェア

pagetop