白い雪が降り積もるように

4.暖かな雪



目の前に男が蓬條圭二。



この人がお父さんと共謀して蓬條依良と良威を殺そうとした……。




でも、彼はそんなことを一言も言っていなかった。




「姉さん、どうだった?俺の送った駒は。なかなか面白いだろう?」





「ああ、面白いよ。あの父親とは真逆の性格をしている」





話の流れで察した。





彼らの言っている駒とは私のことだ。




つまり、この男は蓬條家が自分の実家で、蓬條紗良が姉だと知っていた。




全て仕組まれていたこと?




ふと、日下さん──蓬條圭二が私の方を見た。




「ご苦労だったね、冬雪ちゃん」




「これは全部アンタが仕組んだことだったの?」





「ああ、そうだよ。俺が仕組んだのさ。君の父親の会社を潰すように仕組んだもの、全て……ね……」





「……っ!?」




お父さんの会社を潰したのは蓬條じゃない?






< 363 / 422 >

この作品をシェア

pagetop