ナンパボーイズ

キス友




*虎side*




一方、同じ頃その美術室では…………。

「タバコ持ってる?」

ブラウスのボタンをとめながら、女が訊いた。白い肌が艶かしい。

「持ってないよ、オレ吸わないし」

「まじめだねー」

「ゆか吸うっけ?」

「こら。"先生"でしょ?」

長い髪を撫でながら、26歳の美術教師、西山ゆか先生は、軽くオレを睨んだ。

「なにが先生だよ?生徒を誘惑した不良教師のくせに」

「誘惑したのは虎じゃない。てかこんなのバレたら私クビだよ」

「いやその前に犯罪?」

「やめてよー。でも虎ってホントに高2なの?そのフェロモンどこで身に付けたわけ?」

「マジで?なんか嬉しーな。将来女の人に食わせもらおーかな♪」

ゆかにぐしゃぐしゃにされた髪を直しながら、鼻唄を歌うと、「ばか」と突っ込まれた。

「マジメに勉強して働きなさい」
< 106 / 172 >

この作品をシェア

pagetop