ナンパボーイズ


2階の角部屋に住む3年の八尋先輩は、この学校に君臨してる。ボクにとって一番やっかいな存在。

欲しいものは必ず手に入れる、強気で強引な性格。そして子供みたい気分屋で自己中。

でも比類なき美貌とカリスマ性により、誰からも一目置かれている。

ワガママなのに、モテる。

そして先輩たちはみな超絶なイケメン。
これでモテない筈がない。

そう、難破荘に住む先輩たちは、とにかくみんなモテる。今まで、ボクと肩を並べるほどモテるやつはいなかったのに。

これは予想外だった。

でも、ボクは先輩たちのように彼女を作ったり、恋愛したり、(裏で)遊んだりしない。

"みんなのもの"であることで自分をブランド化できる。アイドルで居続けるんだ。

アイドルはひとりのものになっちゃいけない。ファンとつき合ったりしちゃいけない。
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