ナンパボーイズ


あの日…………、

授業をサボって、虎と体育館の裏でキスをしてたとき。私を優香とまちがえて、虎につかみかかったとーた。

嫉妬で怒ったあの表情を見て、私のなかで何かが風船のように弾けた。

これ以上とーたを想ってもムダだって認めるしかない。

そしてつい、となりにいた虎に甘えてしまった。でも、あの日も、今日も、それにこれからも虎とはキスだけ。

絶対にそれ以上の関係になるつもりはない。

でも、キスだけの疑似恋愛でも私には十分。

虎は優しいし、いつも私が求める甘い言葉を囁いてくれるし。

ほんとの彼氏のようにイチャイチャしてくれるし。
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