ナンパボーイズ
先輩の彼女Ⅱ
*那由多side*
雨の日曜日。
まえの晩に夜更かししたせいか、目覚めたら時計の針は12時近かった。
(いくらなんでも寝すぎじゃん…)
もそもそと暖かい布団から這い出して、カーテンをあけた。
(雨か。洗濯たまってんのになー)
マナーモードにしていたスマホに手を伸ばす。メールとLINEが来てるけど、まるで気づかなかった。相手はファンの子だちだ。
「ふぁーあ」
(いっか、返信は夕方でも。雨の日ってやる気でないんだよね…)
寝癖のついた髪を手櫛で整えながら、洗面所へ向かった。
この難破荘は、お風呂、トイレ、洗面所、洗濯機、食堂は共同で、三食付き。頼めば夜食も作ってくれる。
調理してるのは管理人の大湖さんだ。
大湖さんは、栄養士と調理師の資格があって、ここを継ぐまえは有名ホテルで腕を振るってたらしい。