ナンパボーイズ

恋の罪





*優香(ゆーちゃんじゃない方の)side*




その頃、私はとーたと美術準備室にいた。

すっかり暗くなりかけて、ほかに誰もいない室内にふたりきり。

でも、甘い空気になることはない。なぜならいつもとーたはスマホを弄ったりマンガをめくったりで私に無関心だから。

いつもそう。

こんなことなら、別に私を誘わなくてもいいんじゃない?なんで私を呼ぶの?って、いつも思う。

そりゃとーたは稀に見るイケメンだから、その整った顔を眺めてるだけでも退屈しのぎにはなるけど…………。

ひたすら続く沈黙が気まずい。

ぶっちゃけとーたといてもつまんない。…………辛い。

とーたといるより、ゆーちゃんといた方がずうっっと楽しいのにな。

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