ナンパボーイズ



そう言い残して、男たちはそそくさと去っていった。まるで人が変わったみたいで、ポカンと拍子抜け。

(………姫??)

とーたに言うも言わないも、どこの誰か知らないし。

それにしても、あんなヤ◯ザみたいな男たちが、私をとーたの彼女と思ったとたん、手のひら返すなんて。

(私を姫だって。とーたって、実は何者!?裏の顔利きすぎじゃないっ!?)

私はぼうぜんと何もない空を見上げた。

この嘘が本当だったら、どんなに気持ちがいいだろう。

(もし、私がとーたに告っていたら……)






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