鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!



『次はたこ焼きだな!』



クレープを食べ終わって、立ち上がりながらそう言った葵に頷く。

たこ焼きと言ったら、明太マヨだよね。

1番好きな味なの、アレ。


明太子が何とも言えない美味しさを醸し出してるっていうか…ね?



と言う訳で、とりあえず。



『明太マヨ買う‼︎』



これだけは譲れない!


『明太マヨ⁉︎ それ、うまいの?』



私の言葉に少し驚いた表情を浮かべた葵の言葉に、首をかしげる。


まさかですけど…葵さん?



『明太マヨ……食べたことないの?』



『ああ』



恐る恐る聞いた私に頷いてみせた葵に、思わず手を引いてたこ焼きをやってる店へと向かう。



明太マヨ食べたことないなんて、結構損してるよね?


『風花、もっとゆっくり歩ける?』



『無理! 葵が損してるんだもん』



『そんなに美味しいんだ?』



楽しみだな、なんて言って何気に私よりも早く歩き始めた葵の背中を叩く。



何で私より前で歩くのさ。
さっきまで文句言ってたくせに!





< 165 / 234 >

この作品をシェア

pagetop