放課後、ずっと君のそばで。
「ありがとう~コウくん! おばさん、その一言で疲れなんて一瞬で無くなるわ~」
年甲斐もなく、両手を合わせてブリブリな声を出す。
コウちゃんは優しく微笑み、お母さんを見ていた。
お母さんの仕事は看護師。
シフト制なので、朝仕事に行ったり夜に仕事に行ったり時間がバラバラだ。
夜勤明けの疲れている体のまま、私のお弁当を作ってくれるんだ。
今日だって、夜勤から帰ってきてすぐ、休むことなくキッチンに立ち、洗濯に掃除を終わらせた。
もちろん、私だって家事を手伝うことがある。
だけど、お母さんは出来るだけ自分ですると、私よりももっと早く済ませてしまうの。
5年前に離婚してから、ずっとこういう生活をしている。
仕事に家事に、疲れているはずなのに、お母さんは疲れている様子を一回もみせたことがない。