放課後、ずっと君のそばで。


「莉子~、大丈夫? 最近なんか上の空じゃない?」


昼食時間私の机でお弁当を広げた愛美が心配そうに聞いてきた。


「あー、ごめん。何でもないんだ」


私は曖昧に微笑んでみせたけど、そんなの親友の愛美の目をごまかせるわけがない。


「部活のことでしょ?」


愛美に核心をつかれ、苦笑する。


「高1からずっと莉子のこと知ってるけど、こんな莉子みたの正直今が初めてだよ」


「......うん」


卵焼きにフォークをさしたのはいいものの、私はそのまま肩を落とした。


「そんなに難関なの? 部内オーディションって」


愛美の軽い質問に、私は少しイラっとした。


愛美は何も知らないからそんな呑気なことが言えるんだ。


私の立場に立ったら、誰だってこうなるよ。


「愛美にはわからないよ」


私は苛立ちのままに声を出し、卵焼きのささったフォークを手放した。


しまった!と思ったけど、もう遅い。


私達の間には、少しだけ険悪な空気が漂っている。



< 95 / 312 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop