だから、お前はほっとけねぇんだよ
「いらっしゃいませー」
琥侑に少し出遅れて、あたしもカップル客を笑顔で迎えた。
「ねぇどれにするー?」
カップル二人は、あたし達の目の前にあるケーキのディスプレイを見る。
「俺は甘くなかったら良いけど」
「そんなのケーキじゃないでしょー!」
「もー!」と口を尖らせながら彼女が彼氏をポカスカ叩く。
……えっらい楽しそうなご様子で。
人の色恋沙汰を微笑ましく見れるほどの余裕は無く、あたしはこめかみをピクリとさせた。
こっちは大変だっつーのにー‼
「すみませーん」
何とも言えない甘ったるい声に、あたしはハッと我に返る。
「ケーキってここで食べれますか?」