だから、お前はほっとけねぇんだよ

そして琥侑は最後にバンソーコーを貼ってくれた。


「な、何よこのバンソーコーは……」


……驚くのも当然。

琥侑が貼ってくれたバンソーコーはいちご柄の可愛らしいものだったんだから。



「は?バンソーコーはバンソーコーだろ」


「いやいや……そういう意味じゃなくって」



遠まわしに聞いても琥侑には伝わらないと思ったあたしは、直球に聞いてみることにした。



「このバンソーコーは琥侑の趣味なワケ?」


「なっ……バカかお前は!違うに決まってんだろ‼」



じゃあ……

琥侑はあたしの為にわざわざこんな可愛いバンソーコー買ってくれたんだ……。



どうしよ……

お礼、したほうがいいのかな?




「じゃあ俺行くから」


「え!待って‼何かお礼するよ?」



あたしは立ち去ろうとする琥侑の服の裾を掴んだ。



「……悪い。俺、待たせてる奴がいるから……」

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