だから、お前はほっとけねぇんだよ

……あ

そっか……



「わ、わかった‼また月曜日、学校でね」


「おー、じゃあなヒメ」



琥侑が右だけ口角を上げて笑い、駅の方向へ走っていく。


……小さくなっていく琥侑の後ろ姿を、あたしは目を細めて見つめた。




――ズキッ

……急に痛み始めた膝。


あたしは膝に視線を移し、バンソーコーを指でなぞってみた。



「…………」



丁寧に貼られたバンソーコーは、カラフルにあたしの膝を飾っている。


バンソーコーのいちごの赤は滲んだ血の赤とはまるで違って、すごく可愛らしい。

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