GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
「あれっ、翠狼……」

見ると道路を隔てた駐車場に、スラリとした長身の男性が立っていた。

「帰るぞ。乗れ」

「あ、でも」

瀬里が私を見てから再び男性を見つめると、その男性は一瞬眉を寄せてから、道路を渡ってこちらへと近付いてきた。

「なんだ、その額の白いヤツは」

「あ、これはね、冷えピタ」

「バカか、お前は。名称を訊いてるんじゃない。どうしてそうなったのかを訊いてるんだ」

翠狼と呼ばれた長身の男性はムッとして身を屈めると、瀬里の前髪を掌で押し上げた。

「い、痛い!翠狼、触んないでっ。こ、これはね、ここにいる藍ちゃんに画のモデルを頼もうとして深くお辞儀をしすぎて机で打って」
< 13 / 293 >

この作品をシェア

pagetop