GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~
私が、私がこのビジョンを見せなきゃならないのは……。

「きゃあああっ!!」

激痛が頭を駆け抜けては戻ってくる。

死にそうだ。でも、でも。

「マリウス、私の手を……手を握って」

痛さのあまりガタガタと震える腕を伸ばした時、翠狼がそんな私とマリウスの間に割って入り、私を睨んだ。

「ダメだ、藍っ!お前は魅惑の血を持ってるんだぞ!これ以上マリウスに近付くんじゃない!!」

「嫌よ、翠狼……どいて。離して」

マリウスはそんな私を信じられないような顔で見ている。

「いい加減にしろ!!これ以上血を吸われたら助からない!」

翠狼が血相を変えて私を抱き締めた。

確かにそうだ。

これ以上マリウスに近付いて、彼が私の魅惑の血に我慢できなくなって理性を失えば、もう私は生きていられないかもしれない。
< 265 / 293 >

この作品をシェア

pagetop