Sweet Hell
この前まで私は、そう思ってた。

素敵な人と出会い恋に落ち、結婚して
子供を産んで平凡だけど幸せな家庭を築きたいと思った。

だけど今の私はそれすらも忘れてた。
ただ今思ってるのは目の前にあるジャスティンからのメッセージ、
彼に逢いたいという願望で頭がいっぱいだった。

「わ、私もまだ結婚は・・・。仕事も頑張りたいし、それに
遊びたいしね!」
少し戸惑いながらもそう応えた。

「ガツガツしてないんですね。いや、失礼ですけど
アラサーの独身女性って焦っている人ばかりかと思っていたもんですから」

「焦ってた方が良いですか?」

「いや、落ち着いてて素敵だと思います」

私を褒めた後、彼が私を見つめてきた気がした。
私はその視線から逃げるように「じゃぁ、私は戻りますね」と言うと
踵を返しそそくさとその場から離れた。

なんだろう、まるで好意を持たれてるような視線だった。
気のせいかもしれないけど。

席に戻るとみほと秋葉さんがガールズトークで盛り上がっていた。

「私は早く結婚したいのに本郷さんにその気がないのが辛いです」

「そうよねー」と言って秋葉さんの愚痴にみほは相槌を打っていた。

「あら、 戻ってきたの?長かったわね」と
私に気づいたみほが私に話しかけてきた。

「うん、ちょっとね。」とジャスティンとのことも
そこで本郷さんと会ったことも言わなかった。

「本郷さんってそういうとこ慎重なのかしらねー。
それとも仕事というのは言い訳で他に結婚したくない理由があったりしてねー」
みほがからかうと秋葉さんは泣きそうな顔をしながら
「なんです?それは」と聞き返した。

「例えばー他に好きな人がいたりしてー」

「えええええ!!」

「冗談よ。真面目な本郷さんには有り得ないことだわ」

「もうやめてくださいよー」

二人のやりとりを見ながら笑ってはいたけど
心の中では早くジャスティンに返信をしたいと考えていた。
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