Sweet Hell
そして、彼の写真を色々と見ていると
ある写真に目が留まった。

彼が若くて綺麗な女性の肩に腕を回し
笑顔で写っている写真だった。

私はその写真をじっと見た後、
諦めたように「なぁんだ、彼女いるんじゃん！」と言って
マウスから手を離した。

「そりゃ、こんなに格好良いんだからいるよね、そりゃ」

そう思うと私は若干心がホッとした気持ちになった。
この瞬間、自分の無意識の中で心にストップがかかった気がしたからだった。

「ま、友達くらいはいっか。イケメンのアメリカンボーイと友達になろう！」

そう思い、彼をお気に入りしようとした瞬間だった。

彼がお気に入りした人数は、1人（私）に対して、
彼をお気に入りした人数は、3000人となっていた。

そのあまりの乖離と彼をお気に入りにしてる人数に私は驚いて度肝を抜いた。

「さ、三千！！どんだけ彼、人気があるの！？」

大分驚いた私だったが、（彼をお気に入りにした）彼女たちに負けたくないと
どこかで思ってしまい、恐る恐る彼をお気に入り登録した。

「ふぅう〜。」

大きく息を吐くと「遂にお気に入り登録してしまった」と呟いた。

私はこの先何も起きないだろうと起きるわけないだろうと
何も期待しないまま床に就いた。

けれど朝起きたら彼からDMに”やぁ、お気に入り登録ありがとう”と
英語のメッセージが入っているのに気づいた。

これが彼と私の出会いの始まりだった。
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