一枚から始まったラブレター
「谷本けいさん?」

「はい!そうです」

後ろを振り返るとその先には、大人になった咲人がいた。


「咲人なの?背伸びてずいぶん大人になったね
咲人にずっと会いたかったよ!」


「ごめん、俺あの頃の記憶がほとんどないんだ…
小さい頃事故に遭って。

でも、君のことは少しずつ思い出していった

好きの感情も全部

けいさんに思い出してほしかったんだ!俺が思い出せなかった記憶を。

だからあの手紙を送って、一緒に少しずつでもあの楽しかった記憶を取り戻したかった」


「咲人、会わないうちにずいぶん変わったよ!
見違えるほどカッコ良くなった
私何も知らなくてごめんね。

これからは私が咲人を支えるよ!だから一緒に新しい思い出たくさん作ろ?」


「うん!けいさん、ありがとう!
今日は本当に会えて嬉しかったよ

それと今まで本当にごめんな」


「けいさんじゃなくて、けいでいいよ!
ううん、全然大丈夫」


「けい!」


「ん?何?」


咲人が私の名前を呼ぶと、後ろから私の体を抱き締めてきた。

私の体が一気に火照り、冬だというのに暑くなる。


「けいのこと、ずっと好きだった
頭のどこかでそれだけは忘れないように、その感情をきっと俺はしまってたんだ

だから俺とずっと一緒にいてくれますか?」


「私も頭のどこかで咲人の事を思い出してたよ。
咲人のことを忘れたりなんて、絶対しない!

こちらこそ、お願いします」


私達は再び再会し、思わず泣いてしまった。
泣いた涙を拭ってくれる咲人の手の温もりを感じ、あの頃の感情がまた芽生える。

咲人はいつも優しくて、転んでは泣いてる私の手を取ってくれていたっけ?


優しくまた抱き締めてくれる咲人。
このぬくもりを絶対に忘れない。
今度は絶対に手放さない。



10年前の頃に書いた手紙を私に送ってくれていた咲人。
自分が何かを思い出すんじゃないかと、その足跡を巡ってくれていたんだね。

あの住所を書いていたのは、どうやら咲人のお母さんだったみたい。


咲人の手紙はどれも短い文だったけど、深い愛情がこもっていた。


短い文でもちゃんと想いが伝わる、それが手紙なんだよね。


私もこれからはあの日の思い出を手紙に書いて、咲人に想いを伝えるよ。


咲人を大好きだって想いを。


だから咲人もそれに応えてね。


大好きな咲人へ


ありがとう。
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