ある日、君から貰った愛。
第一章*想い出

◇出会い

「あんたらに分からないでしょ!?」

「お前みたいな奴をわかりたくもない、出て行きたいなら出て行けばいい。」

そんな会話を両親とした。

これが2ヶ月ぐらい前。

いろんな人の所を転々として、

いろんな事をしてきた。

掲示板で知り合った男の家に行ったり、

ネカフェに泊まったり、本当にいろいろ。

掲示板で募集して、

それで会った男からお金を貰って

ヤることやったらバイバイ、なんてこともよくある。

いわゆる援助交際ってやつだけど、

私を買ったほうが悪い。

罪に問われるのは私じゃないんだから。


「カナちゃーん、もう会うの3回目だけど…そろそろ本名とか教えてくれない?」

今日、確かに会うのは3回目だけど、

私は名前も覚えてないその男はそう言った。

「うーん…気が向いたら、ね。」

''カナ''は、募集する時に私が使う名前。

本名は『新堂 茜(しんどう あかね)』。

年齢だって21って言ってるけど、

本当はもうすぐ17。

大人っぽく見えるから助かってる。

「前もそう言ってたじゃん?まぁいいんだけどさ、メールでやり取りできるし。」

裸のままベッドに寝転び、

服のボタンを閉める私にそう言う。

教えるわけがないじゃないか。

そんなことして調べられたら、

本当の年齢も知られてしまうかもしれない。

貴重な金ヅルを逃したくない。
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