幼馴染はどこまでも俺様過保護

21時。

遅番の私は1階の店舗の売上金と鍵を受け取り金庫にしまい、事務所の戸締まりをする。

仕事が終わったら話を聞くと言っていた隼翔の元へ行こうとした時、隼翔は副社長室から出て来た。

「終わったか?」

「うん」

じゃ行こうかとエレベーターに乗り込む隼翔と一緒に私も乗る。

プライベートの話する為に遅くまで会社に居る事は出来ない。扱っている物が物だけに、決まった時間までに退社してセキュリティロックをしないと警備会社から連絡が入るのだ。

どこへ行くのだろう。話の出来る場所…私の家?

隼翔の車に乗り着いたところは桜小路家。

「腹減ってるだろ?母さんが食事の用意してくれてる」

お昼食べる時間がなかったから、確かにお腹空いてる。でも、話を先にしたい。

「隼翔、私ね話がしたいの…」

「ああ、話なら聞く。今日は澪もいるし、父さんも帰って来てるからな」

そっか…今日退院するっておば様がいってたっけ…

家の中に入り、おじ様に退院のお祝いを告げ、隼翔とふたりでおば様の作ったロールキャベツを頂く。

「蒼海、昼食べてないんだから沢山食べろよ?大きくなれないぞ?」

いくらお昼食べてなくても、そんなに食べれない。もともとが少食なんだもん…今更大きくなんてなれない…

「蒼海ちゃん、元気ないけど、どうしての?」

隣に座っていた澪ちゃんが、心配してくれる。

皆んなは先に食事を済ませていたので、おじ様は、コーヒーを、澪ちゃんは紅茶を飲んでいた。私がいつもの様に隼翔に返さないから心配したのだろう。

「うん。大丈夫」





< 51 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop