ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


「あゆさん、その男の人にちゃんと"バカヤロー"って言った?相手の家庭は壊しちゃいけないかもしれない。でも、あゆさんが抱えているものは相手に伝えないとダメだよ」

別れを告げた時、もう無理だということ以外伝えることが出来なかった。それは多分その時のわたしはタクヤさんが大好きで、いい女で終わりたかったから。

「わたし、最後まであの人に嫌われたくなった」

「あゆさん、思っていること伝えてないとあゆさんの中のモヤモヤはずっと消化できないよ」

それは何となく分かっていた。いつまでも逃げてばかりじゃないって。

恋愛から逃げていて、楽なのはとても楽だ。でも、満たされることもない。

「おれはあゆさんのおかげで少し前に進めた気がするんだ。今度はあゆさんが前に進む番だよ」

「どうやって前に進んだらいいの?」

あきくんの身体がわたしから離れた。見下ろしてわたしと目が合うとフッと柔らかい表情をした。

「その男の人に会いに行こう。おれも一緒に行くから」


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