ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
無意識にあきくんの方を見ていた。コクリと首をゆっくりと縦に振った。
タクヤさんがあまりにも自然に返信してきたから、わたしのさっきまでの緊張感はなんだったんだろうって思ってしまう。
メッセージ送るだけでこんなに悩んだのに、彼の言葉に迷いとか、申し訳なさとかは全く感じない。わたしとの温度差は何なの。
1度送ってしまった内容、しかも返信が来てしまった。もう引き返すことはもう出来ない。
全く緊張してないわけじゃない、でも、少し何か吹っ切れた感覚はある。
スマホの上を右の親指をスライドさせた。さっきはあきくんに送ってもらったけど今度は自分の言葉で送ろう。
《最後に1度だけ少しお話したいの。お願い》
1度打った文字を読み返して、送信ボタンを押した。
送れた、自分の言葉で。
「あゆさん」
画面から名前を呼ばれた方に視線を向けると口角を少しあげたあきくんが視界に入る。目で"よく頑張ってね"って言われてる気がする。