ワケありオンナとワケあり男子の共同生活
2人の変化





目を開けると天井が見えた。朝を迎える度に見る天井だ。ここに住んでから何度も見た景色。寝る前には閉めたはずの──正確にはあきくんが閉めたはずのカーテンは開いており、優しく太陽の光が差し込んでくる。

昨日のことを思い出す。タクヤさんのこと、あきくんのこと。あきくんに包まれた腕が心地よかった。

自分にかかっていた布団をよけて自分を見ると真っ裸だった。特に誰かに見つめられているわけでもないのになんだか恥ずかしくて自分で自分を抱きしめた。

そうだ、わたし、あきくんにしがみついてそのまま寝ちゃったんだった。

ぼんやりと昨日のことを思い出す。愛しさが溢れたあの感覚。思い出したらまた身体が熱くなりそうだった。子宮のあたりがジンッとする。

目で自然とあきくんの姿を探していた。だけど見つからない。どこ行ったんだろ?仕事?

……ん?仕事?あれ、今何時だろう。

裸のまま、カバンからスマホを取り出して時間を見ると10時2分だった。

やばい!10時過ぎてる!あれ、わたし今日何時から出勤だっけ!?


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