ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


カバンにいつも入れているシフトの紙を取り出し、指先を紙に当てながら今日の日にちを探した。そして、自分の名前を探して勤務を見る。

書かれていた文字は「休」だった。一気に力が抜け、手から紙が床に落ちた。

「なーんだ」

良かった、休みだった。10時で家にいないってことはあきくんは仕事に行ってるのかな?

普段は前日に次の日のシフトをご飯食べながら報告するけど、昨日はわたしが早くに寝てしまったこともあり、聞いていない。でも、いないってことはきっと仕事に行ってるんだ。

早番だろうが、遅番だろうが、この時間には家を出ていなければいけない。

シフトの紙を拾い、カバンに入れた。スマホをもう一度見てみると、メッセージが届いていた。

『あゆちゃん、最近どう?久しぶりに会わない?』

カオルだ。最近何かと理由つけてずっと会うのを断っていた。そうだ、わたし、カオルとヒデキさんのこときちんと終わらせないと。

すぐに指が動いた。わたしの決意は固い。


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