ワケありオンナとワケあり男子の共同生活


「あきくん」

「何?」

あきくんとわたしは一緒に暮らす+セックスという関係に変わったけど、普段の生活はそんなに変わらない。

こうして普通に話すし、ご飯も作ってもらってるし、一緒に食事をしたりテレビを見たりする。

「今日資格貰ったら牛丼食べに行こうか」

あきくんと一緒に住むキッカケになったのは牛丼だ。資格を貰って就職したらあきくんは家を出ていく。

節目として、なんとなく牛丼を食べに行きたい。牛丼で始まり牛丼で終わる。

あきくんとの奇妙な生活が終わる。

「今日バイト休みだから講習終わったら一緒に行こうか」

口角を上げていつものあきくんスマイル。あの時見た不安そうな表情が嘘みたいに周りを癒す笑顔だ。

前の席の佐々木さんが振り返ってきた。手には講習中に配られたプリントがある。佐々木さんも勉強中なんだろう。

「ねぇ、やっぱりあなたたち付き合ってるの?」

この前から気になるんだろう。同じ事言われた前回からもあきくんが作った同じお昼ご飯を食べていたから。


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