隣の部屋にフランス人

*

「はっ!!!」

しまった!寝てしまった!
もう朝?あれ?私布団かぶってる!いつの間に?
電気も消えてるし…

「ルイ?」

あれ、いない…
もう起きて戻ったのかな?

「莉々、お母さんとお父さん出かけるから、
あとよろしくね」

部屋の外からお母さんの声が聞こえた。
時計を見ると、もう9時!

よかった、今日バイトがなくて…


「おはよう、リリー」

顔を洗おうと、一階に下りると
王子がリビングルームから出てきた。

「あぁ、おはよう。昨日はごめんね。
私ルイのこと起こそうとして寝ちゃって」

「ううん、俺もごめん」

「もしかして、布団かけてくれたのルイ?」

「うん、寒いから、病気になってない?」

「大丈夫、ありがとう」

「何飲む?」

「コーヒー」

「了解です」

あれ、ルイ、今日はなんか、あっさりしてるな。

いつもは朝のキスだとか
ぎゅーだとか甘えてくるのに。
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