隣の部屋にフランス人

リビングルームへ入ると
コーヒーのいい匂いが漂っていて
テーブルには朝ごはんの用意がしてあった。

「準備してくれたんだ。
ありがとうね」

「俺も一緒に食べる。
リリーのこと待ってた」

え、そうなの?
いつもなら、先に食べてるのに。


「えっと…何?」

向かい合わせにテーブルに座ると
王子は少し顎を引いて、
若干上目づかいで私のことを見つめてきた。

これキメ顔だ!

「何も」

何?何で今日こんな感じなの?
静かだし、何となくクールな雰囲気だし。

聞く?聞いてみる?聞いてみようか?

「あのー、今日は静かですね」

「別にな」

別に、なんて、王子らしくない返答。
何なんだろう…気になるけど。

もしかして、昨日私の寝顔を見られた?
私のよだれ垂らして不細工な顔をして寝てるところを見て、
冷めちゃったとか?
だとしたら、やばい…

「リリー、もうすぐクリスマス」

「あーそうだね」

「どこかに行こう?」

でも、クリスマスデートの誘いきたー!
よかった、冷めてなくて…
そして、初めてだ!彼氏と過ごすクリスマス!

キャー!!

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