再会は、健康診断で。
特別な日


今日は航と約束したデートの日だ。


着いたと電話がきて、外に出ると航の車が止まっていてつい笑みがこぼれる。


「おはよう、航。迎えに来てくれてありがとう」


笑顔でお礼を言うと、航が真顔のままじっと私のことを見つめてくる。


「おはよう、それは全然大丈夫だけどさ。かえ、足出しすぎじゃない?」


航にそう言われて自分の格好を見下ろす。



ショートパンツに袖にフリルのついたノースリーブの白いシャツ。足元はたくさん歩くから歩きやすいサンダル。


「そうかな? でも、暑いし……。似合ってない?」


真夏だし、これくらい普通だと思うけど。


「んー、かわいいし似合ってるけど。他の男に見られるの嫌だな」


真剣な顔でそんなことを言う航に笑ってしまう。ちょっとでも肌の露出が多い服着ていると、絶対にそう言うんだから。


「誰も見てないって。早く行こう、航」


宥めるように肩を叩いて笑うと、航は渋々といった感じで車を走らせ始める。


< 210 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop