再会は、健康診断で。

それにかえが俺を拒まないことも、この一年でもう知っているから。


「んー、しつけってなかなか大変だな」


やっぱりかえは俺を拒むことなく、背中に手を回して頭を撫でてくれる。どんな俺でも拒むことがないかえに俺は深い愛を感じて、ますますかえのことが愛おしくなる。


「そうでしょ。だから、一生かけてしつけてね」


「うん、がんばるね。お利口になったら、なにかご褒美あげなきゃね」


「まじで? じゃあ、楽しみにしてる」


「いやいや、お利口になる努力してね」


キスをしながらクスクス笑い合って、そんな他愛もない話をしていることに途方もない幸せを感じる。


俺もさすがにじじいになったら多分、“待て”も出来るようになるだろうから、そのときにかえがどんなご褒美をくれるのか楽しみにしておこう。


これからかえと一緒に年を重ねていくのも楽しみだと思いながら、かえの唇にキスをした。


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