再会は、健康診断で。
雨と雷と変化

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平根からの手紙は、それから高倉さんを通して毎回違う種類の封筒に入って何日か置きに届いた。


一回目の手紙以降、必ず冒頭にある謝罪の言葉のあとは小・中学校の私との思い出が綴られるようになった。


入学式で私から声を掛けたことが本当に嬉しかったこと。


花や動物の世話をしてる私のことを好きだと思っていて、本当は一緒にそれをしたいと思っていたこと。


平根が転んだときに、傷を洗って絆創膏を貼ってくれてうれしかったこと。


遠足でお弁当をひっくり返した時におにぎりをくれて嬉しかったこと。


二人っきりになると緊張して、上手く話せなかったこと。


中学校を卒業する時に告白しようとしたけど、私が進学先を変えてまで平根を避けた事がショックで告白を諦めてしまったこと。


それをずっと後悔していたこと。


あの時はこう思っていた、本当はこうしたかったと書かれている平根の本当の気持ちに胸が甘く疼く。


そして必ず最後は、私へのストレートな愛の告白が綴られている。


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