all Reset 【完全版】



階段を下りて行くと、親たちの賑やかな話し声が聞こえてくる。


いきなり盛り上がりすぎてて中に入りにくい。


ガラス抜きされたリビングの扉から中を覗くと、亜希のおばさんと、その横にかしこまって座っている亜希の姿が見えた。



「こんにちは。ごめんなさいね、バイトから帰ったばかりなのに」


顔を出すと、おばさんは気遣ってそんな挨拶をした。


「いえ、大丈夫ですよ」


そう返事をしながら亜希を見る。


亜希は少し俯き加減で、もじもじとしていた。


おばさんに促され、小声で「こんにちは」とだけ言った。



え……何?


どうしたわけ?



亜希の様子に頭の中で“はてなマーク”が浮かび上がる。



そんな空気の中……


「あ、そうそう。さっき昔のアルバム出しておいたから、亜希ちゃんに見せてあげなさいよ」


なんて、母親が話をふった。



「亜希、見せてもらってくれば?」


おばさんが俯いたままの亜希に顔を寄せる。


でも、亜希はおばさんに隠れるようにして黙ったまま……。



え……なになに?


ホント、どうしたわけ?



「……亜希? おいで?」



不思議に思いながら呼んでみると、亜希は俯いたまま立ち上がり、そろりそろりと歩いてくるのだった。


< 150 / 419 >

この作品をシェア

pagetop