all Reset 【完全版】
第三章 残酷なリセット

 晴天の霹靂





目を開けると、白い空間が一面に広がっていた。


それが天井だとわかりハッとする。



……どう、なったんだ?

俺ら……。



右足に疼痛を感じ、今までの出来事を一瞬にして思い出す。


勢いで身体を起こそうとすると、思うように身体の自由がきかなかった。


気持ちだけが先走る。



「……気付いたか?」


動くに動けないでいると、右側から良平の声が聞こえた。


「良平、お前、大丈夫か?」


「お前よりは軽傷じゃん?」


その言葉に一気に安堵する。


それと同時に、あの時の亜希の姿がフラッシュバックした。


「亜希は?」


「あぁ、大丈夫だってさ。ちょっと頭打ってるみたいだけど……他の病室にいるって」


さっき看護師の人に聞いた、と良平は言った。



「そっか……」



俺の気を落とした返事の後、しばらくお互いが無言になった。



「居眠り運転だってさ、相手のトラック。お前が避けなかったら、これじゃ済まなかったかもな?」



少しの沈黙のあと、良平はフォローでもするようにそう言った。


でも事故に遭って、今こうして三人が病院のベッドに横たわっている。


その事実に、責任を感じないわけがなかった。



「……ごめんな」



謝罪が静かな病室に響く。



ごめんなんて言葉じゃ足りなすぎる。


でも、それ以外に言葉が出てこない。



「謝んなよ、相手が悪かったんだしさ。たいしたことなかったんだから。運だよ、運」



明るく振る舞う良平に、俺は返す言葉が探し出せなかった。


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