ビターチョコレート
和室に戻るとみっくんは少し恥ずかしそうにはにかんだ。

むかしと変わらない笑顔。


「やっぱり都心に引っ越したら?」

みっくんは意外としつこい。

「そんなお金ないもーん」

私たちはお茶を飲みながら、いただきものの高級チョコレートを摘まむ。

「そしたらいつでも会えるのに」

みっくんは視線を逸らしてボソリと呟く。


二人で食べるチョコレートは口に入れると仄かに苦くて、舌のうえで蕩けるとじんわり甘い味がした。



END
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