私の隣〜小さな天使〜
「久世さん!」


「はい?」


「早く行こうよっ」


今まで寝ていた奴が…と頭の中の自分が突っ込むが気にしない。


私は久世さんの腕を引き,家に入る。



「「ただいまぁ」」


「失礼いたします。」


玄関を抜け,みんながいるだろうリビングへと足を進める。


リビングに続くドアの取っ手に手をかけようとした瞬間,『『だぁ−っ』』という声とともにドアが勢いよく開いた。


危うく当たりそうになった私は引き攣った笑顔で小さい天使達を見下ろす。



「紫音,鈴音…
 危ないでしょう?」


「ひめ痛い?」

「痛い?」


うるうるした瞳で心配されたら何も言えない。


結局は甘いなぁと自分に呆れながら,紫音と鈴音を久世さんの前に出す。



「あ−久世さんだぁ」

「はじめましてっ
 りおんですっ」


久世さんを指さす紫音と,ちゃんと挨拶をする鈴音。


常に一緒に行動してるのになんで鈴音だけしか礼儀を知らないのよ…


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