元カレバンドDX
「いえ、まだです。なにしろあなたを捜すのが先決でしたから……」

 あたしってどのくらい期待されているのだろうと、逆にちょっと恐くなる。

「あの、なんで、あたしなんでしょうか……?」

 さらに気になる部分を聞いた。

「初めてライブを観たときに思いました。あなたの声は、まわりを幸せにすることができる。それと……」

「それと……??」

「僕の勘です」

 得意気な表情で、丸山は言い切った。

「か、勘ですか!?」

 あたしは目を丸くする。

「えぇ、あなたは、なにか、面白いことをしでかしてくれそうな気がします」

 そう言って、ワハハと笑いだす丸山に、あたしもつられて笑った。

 つられて笑いながら、丸山の言う通り、とても面白いことを思いついてしまった。

「あの、ほかのメンバーのことなんですけど、あたしにまかせてもらえませんか?ぜひ一緒にバンドをやりたい、素敵な仲間たちがいるんです!!」

 あたしはニヤリと不敵な笑みを浮かべて、あたしに関わったすべての人に感謝を捧げるのだった。
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