元カレバンドDX
 恋愛中って、すごく優しい気持ちなれるんだと、恋愛パワーの偉大さを感じた。

 スバルが来たら、あのカップルのように、あたしたちも手を繋いで歩くのだ。

 ラブラブなムードに浸って、ふたりの世界を繰り広げたい。

 こんなハプニングでさえ楽しいと思えてしまう、恋する乙女のあたしは無敵なんだから。

 愛するあたしの王子様が現われたのは、それからさらに30分が経過した頃だった。

「陽愛、ごめんな」

「ううん!大丈夫だよ!」

 スバルの顔を見ると、1時間半も待たされたことなんて、一気に吹っ飛んでしまった。

「じゃ、行くか!」

「うん!!」

 差し出されたスバルの右手をぎゅっと握って、あたしは元気よく歩き出す。

 そして、ゆりかもめに乗って、お台場へと向かった。

 あたしの中で、デートの定番といえば「お台場」だ。

 あたしの胸は溢れる期待を抑えきれないでいた。
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