white coat



「…あんま俺の前でイチャつくなよ」



明らかにトーンの低い明音の声が聞こえた




やば…



「い、いちゃついてないよ!」


「俺にはそう見えんの」



「話してただけじゃん」



「やだ。なんか妬ける」



…かわいい




「明音先生と杏乃って…?」


「俺の彼女」



「はっ!?」


あたしが大げさにびっくりするとぽんと肩に手を乗せた明音



「になる予定」




「…ふーん」



ニヤリ という表現がぴったしな表情を浮かべた来飛




「…なんだよ」



「先生、勝負しようよ」



「は?」



「俺と先生。どっちが先に杏乃を惚れさせられるか」



「な、何言ってんの!?」



あたしがワタワタと慌てると明音は余裕の笑みで



「患者だろうと高校生だろうと手加減はしないぞ?」



と言った




「あたりまえ」




「ちょっ、ちょっと待って!

どういうこと?勝負って?」



「そのまんま。まぁ杏乃は気にすんな。ただ、俺か来飛。どっちに惚れるか」



「ど、どっちにも惚れない!!」




「ま、まっとけ」





なにこれ!?




なんなの!?




< 107 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop