white coat
午後の外来が始まると、一気に患者が増えた
気温安定しないからな
この季節は体調崩しやすい
そろそろインフルエンザも流行りだす頃だ
流れるように入ってくる患者を診ているとあっという間に午後4時をすぎた
「今日は混みますね…待合室いっぱいですよ」
ナースの笑美さんがカルテを手に取りながら話す
「ほんと。風邪流行るなぁ」
そんなこんなでまた1時間外来を続ける
「…よし。待合室の状況どう?」
「あと10人くらいです」
「あとちょいかー。頑張ろ」
そう、次の患者さんを呼ぼうとした時
ガラー
勢いよく開けられたドアに目を向けると、息を切らしながら神崎さんが立っていた
「…どうした?」
「ハァ…杏乃ちゃんが、救急で!」
「え?」
「とにかく、来てください!」
頭が混乱したまま神崎さんについていく
「あ、三宅先生!3番の診察室お願いします!」
俺の代わりに入ってくれる人まで手配する神崎さん
杏乃になんかあったのか…?